今回の記事は、こちらの動画を基に書いています。
宝石やジュエリーの世界に惹かれ、より深く学びたいと考えたとき、多くの人が直面する壁があります。
「本当に理解できるだろうか?」
「途中で挫折したらどうしよう」
「自分が学んでもいいのか?」
美しさという感覚的な領域だからこそ、「基準」が必要です。
どうせ学ぶのであれば、その基準を世界レベルで理解している指導者から教わりたいと思うのは当然だと思います。
HOUSE GEM ATTENDER(以下、HGA)で講師を勤める長谷川邦義氏は、宝石商、ジュエリーデザイナー、そして実務家として約20年、宝石に向き合い続けてきた人物です。
2024年、世界最難関とも言われる宝石学の称号「FGA」「DGA」の授与式に出席するためにロンドンに行きました。

この記事では、彼がなぜ多忙な実務の合間を縫って過酷な試験に挑んだのか、そしてその結果がHGAの講座にどのような「厚み」をもたらしているのかを、現地の様子と共にお伝えします。
「勉強は大の苦手」からの挑戦

長谷川さんは、「感覚とセンスに優れた実務家」と評価します。
20歳で独立し、現場での仕入れ、デザイン、販売を通じて叩き上げてきたキャリアは紛れもなく本物です。
しかし、長谷川さんはずっと「勉強が苦手」というコンプレックスを抱えていました。
「100%自分は勉強が苦手だと思って生きてきた」
「自動車免許の筆記試験には7回落ちたし、簿記3級には9回落ちた」
ジュエリーのプロとして実績を積み上げながらも、座学や試験という形式に対しては、これほどまでに不器用な一面を持っていたんです。
そんな勉強が苦手なかで、世界でも指折りの難関資格に挑んだのでしょうか。
それは「過去の自分、苦手な自分を打破したかったから」に他なりません。
「私はこういう性格だから」と諦めるのではなく、苦手なことに正面から向き合い論理的な裏付けを手に入れること。
それが、生徒に宝石を教える立場としての誠意でもあったんです。
英国宝石学協会認定「FGA / DGA」とは

長谷川さんが取得した資格について簡単に紹介します。
この試験は、ただ知識を暗記するだけで太刀打ちできるような資格ではありません。
顕微鏡を用いた鑑別技術や光学的特性の理解、そして論理的な記述力が求められます。
合格率はかなり低く、実務経験者であってもなかなか習得できるものではありません。
長谷川さんは、この試験に2年間を捧げました。
最初のFGA試験の結果は「B評価(60%)」合格ラインぎりぎりラインだったそうです。
当時の長谷川さんも「危なかった……」と呟いていました。
天才肌のエリートが余裕で取った資格ではないのです。
その泥臭い努力は確実に実を結び、続くDGA(ダイヤモンド)試験では、実技試験で見事に「ノーミス」を記録し合格をしました。
積み重ねた努力が、「HGA講師の長谷川邦義」を作り上げたのです。
聖地「ゴールドスミス・ホール」での証明

宝石業界の聖地とも呼ばれる「ゴールドスミス・ホール(Goldsmiths’ Hall)」にて、授与式(Graduation Ceremony)が執り行われました。
「Kuniyoshi Hasegawa, Japan」


壇上で証書を受け取り、FGA/DGAの学習課程をすべて修了したことが正式に認められました。
資格取得後の変化
FGAとDGAを取得したことで、長谷川さんの講座にはどのような変化が生まれたのでしょうか?
最も大きな変化は「根拠の明示」です。
これまでの約20年の実務経験で培った「直感的な鑑別眼」に、国際基準の「理論」が加わりました。
「この石は綺麗だ」という感覚だけでなく、「なぜ綺麗なのか」「光学的・化学的にどういう特性があるから価値があるのか」を、論理的に説明できるようになりました。
また、長谷川さん自身が「勉強が苦手で、何度も試験に落ちた経験」を持っていることは、教育者として大きな強みになっています。
・専門用語に戸惑う初心者の気持ちがわかる。
・挫折しそうになる人の痛みがわかる。
だからこそ、難解な理論を噛み砕き、実務で本当に使える知識として手渡すことができるのです。
最後に

宝石学は、独学だけで身につけるのが非常に難しい分野です。
ネットや本で情報は手に入りますが、目の前の石が本物かどうかを見極める「判断基準」を一人で養うのは非常に難しいです。
もしあなたが、
「現場で通用する知識を身につけたい」
「自分の目で判断できる力を養いたい」
少しでもそう考えるなら、HGAをぜひ検討していただきたいです。
HGAの講師の長谷川さんは、ロンドンの地で自らの限界を突破し現在進行形で石と向き合い続けている「実務家の講師」です。
「正しい知識を持つ」ということは、自信を持って宝石を扱えるようになるということです。
そのための環境は、すでに整っています。


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