【宝石鑑定士が解説】鑑別書と鑑定書の違い、あなたは知ってる?

宝石を選ぶときに必ずと言っていいほど目にする「鑑別書」と「鑑定書」。
聞いたことはあるけれど、実はこの2つの違いをしっかり説明できる人は意外と少ないんです。

宝石商として働く人はもちろん、ジュエリーが好きな人でも、
ここを理解しておくと“良い買い物ができる確率”がぐっと上がります。
大げさではなく、宝石を見る目がワンランク上がる知識です。

ここでは、専門家が実際に現場で使う基準にもとづいて、
「鑑別書と鑑定書はどう違うのか?」をわかりやすく解説していきます。

ぜひ、最後までご覧ください💎✨

目次

まず知っておきたい「鑑別書」と「鑑定書」

鑑定書(ジュエリー長谷川のHOUSE GEM ATTENDER)

宝石を買うときによく目にする「鑑別書」と「鑑定書」。
言葉が似ているため混同されがちですが、実は 目的も内容もまったく違う書類です。

まずはそれぞれの役割を、シンプルな比較で見てみましょう!

■ 鑑別書と鑑定書の基本的な違い

書類名対象目的内容
鑑別書宝石全般(色石含む)宝石の“正体”を特定鉱物名、宝石名、産状(天然/合成)、処理内容など
鑑定書ダイヤモンドのみダイヤモンドの“品質評価”4C(カラット・カラー・クラリティ・カット)のグレード

解説:
宝石を購入するとき、まず知っておきたいのがこの違いです。
「何の石か」を知るためのものが鑑別書であり、「どれくらい品質が高いか」をグレード化するのが鑑定書です。
この違いを理解するだけで、宝石購入の判断が格段に楽になります。

鑑別書とは?(Gem Identification Report)

鑑別書は、宝石の“正体を科学的に明らかにするための書類”です。
価値判断は行いません。

宝石(ジュエリー長谷川のHOUSE GEM ATTENDER)

■ 鑑別書に記載される一般的な内容

項目内容
鉱物名例:コランダム、ベリルなど
宝石名例:ルビー、サファイア、エメラルド
産状天然 / 合成
処理情報加熱、含浸などの有無
光学的性質屈折率、複屈折など
内包物の特徴特徴的なインクルージョン

■ 鑑別書で特に重要なポイント

  • 天然石か合成石か
  • 処理が行われているか(例:加熱処理)
  • 模造石との区別

解説:
色石の価値は産地や品質で大きく変わりますが、まず最初に重要なのは「それが本物かどうか」。
鑑別書はあくまで“宝石の事実確認”であり、価格や価値を示す書類ではありません。
そのため色石を購入する時は鑑別書が最も重要です。

鑑定書とは?(Diamond Grading Report)

鑑定書は、ダイヤモンドの品質を評価(グレーディング)した書類です。
色石には鑑定書は存在しません。

ダイヤモンド(ジュエリー長谷川のHOUSE GEM ATTENDER)

■ 鑑定書に記載される代表的な4C

項目内容
Carat(カラット)重さの評価
Color(カラー)色のグレード(D〜Z)
Clarity(クラリティ)内包物・傷の評価(FL〜I)
Cut(カット)プロポーション・仕上げの評価

※多くの鑑定書には、蛍光性(Fluorescence)も記載されます。

■ 色石に鑑定書が存在しない理由

  • 色石は石種ごとに価値基準が異なり、
  • ダイヤモンドのように世界共通の統一基準が成立しないため。

解説:
ダイヤモンドは世界的に評価基準が統一されているため鑑定書が発行されますが、
色石は石ごとに透明度・色・産地・処理などの価値判断が大きく異なるため、
同じ形式の「鑑定書」を作ることができません。
そのため色石には鑑別書が基本になります。

どちらを選ぶべき?目的別ガイド

迷う人(ジュエリー長谷川のHOUSE GEM ATTENDER)

■ 目的別の“最適な書類”

購入目的必要な書類理由
色石を安心して買いたい鑑別書天然/合成、処理の有無など“事実”が確認できる
ダイヤモンドの品質を知りたい鑑定書4C評価=価格に直結
婚約指輪の購入鑑定書(+鑑別書の場合も)透明性の高い情報が求められる

■ 鑑別機関の信頼性について

  • 国際基準に基づいた検査を行う機関を選ぶことが大切
  • 評価基準は機関によって若干異なるが、科学的検査を行う点は共通

※特定の企業を優劣として挙げることは控えます。

解説:
宝石を購入する時、「鑑別書」と「鑑定書」を正しく理解しておくことでリスクを避けられます。

特に初めて宝石を買う人は、
・色石=鑑別書
・ダイヤモンド=鑑定書(4C評価)

という基本だけ覚えておけば安心です。

⭐️まとめ⭐️

✔︎鑑別書=宝石の“正体”を科学的に証明する書類

✔︎鑑定書=ダイヤモンドの“品質”を4Cで評価する書類

✔︎色石には鑑定書は存在せず、鑑別書が基本

✔︎宝石を安全に購入するためには、目的に応じて書類を選ぶことが重要

【気軽に最初の一歩を】
日本随一の宝石商オンラインスクールで、新しい自分に出会いませんか?

ハウスジェムアテンダー養成講座へ(ジュエリー長谷川のHOUSE GEM ATTENDER)

「宝石商」と聞くと、特別な才能や長年の修行が必要な手の届かない仕事だと思われがちです。

ですが、現代では、忙しいあなたのライフスタイルに合わせて、宝石の世界を深く学べる環境が整っています。

宝石の魅力をもっと知りたい方、宝石商という仕事の世界を見てみたい方へ。

仕事や家事の合間に、日本随一の宝石商オンラインスクールを体験してみませんか?
今なら無料のオンライン講座で、宝石の基本を学ぶことができます。

あなたの一歩が、未来の輝きにつながります。
下のボタンから、ぜひ気軽に参加してみてください!👇

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ハウスジェムアテンダー 広報担当。
大手アパレル企業や外資系アクセサリーブランドで広報を経験し、PR会社での活動を経て2025年7月より現職。

現在は宝石・ジュエリー分野における広報戦略やイベント企画、SNS発信を中心に担当し、「宝石の価値を正しく伝える」ことを使命としています。

3歳と5歳の子育てをしながらキャリアを重ね、日々多くの方に宝石の魅力を届けるために取り組んでいます。

コメント

コメントする

目次